ジュビロ磐田VSサンフレッチェ広島【2011 J1 第8節】

結果は１－１のドロー。時間があっという間にすぎさってしまったと感じるほど両チームの緊張感が高く、ひとときも目が離せないようなゲームでした。

サンフの状態は、前節ガンバ大阪に快勝したときとほぼ同様で、ゲーム展開のおかげもあって、今期のサンフ特有の鋭くて迫力のある攻撃が存分に出ていたと思います。ただ、ジュビロの守備の集中はすごかったな～と。ゴール前までは行くんだけれど、なかなかいい形でシュートが打てなくて、こいつらしぶてぇな・・・なんて感じながら、試合を見てました。

っていう感じで、今回の試合はいろいろと考えさせられるような出来事が多かったので、小出しでまとめます。

リバウンドを制するものは世界を制す

「スラムダンク」の中で度々出てくる言葉です。スラムダンクはバスケットの漫画だけど、この言葉では、サッカーでもそっくりそのまま言う事ができます。

今回の試合の前半、サンフがジュビロに対して猛攻をしかける結果になったわけだけど、その要因のひとつとして、このセカンドボールをよく取っていたということがあると思います。サンフのサッカーでは攻撃に人をかけるので、セカンドボールへの意識は他のチーム以上にとっても大事。今回の試合では、こぼれ球への予測や切り替えが磐田と比べて格段によくて、試合を見ててすごく関心しました。

目的はゴールと勝利

サンフのサッカーがパスを細かくダイレクトに回し、人も連動して動いて、チーム一体となってゴールを目指すサッカー。確かに昨年よりもまた一段と鋭さが増して、僕自身もサンフのサッカースタイルの進化に魅了されてます。だけどサッカーは点をとってなんぼのスポーツ。サンフのサッカースタイルはゴールのための手段。そして、ゴールのためにサンフの選手達は、自らのチームスタイルを頑なまでに保持するだけではなくて、９０分の中で体力状況や精神状態なんかも考えて、時にはロングボール一発でディフェンスの裏を狙ったりしてる。青山会長のバーを直撃したミドルシュートや、チュンソンがＰＫをもらった場面も行き詰まった状況を打破するためのひとつの手段。今回の試合では、それができたことが、すごく良かったと思います。

その後は問題だったけど・・・

初登場の朱色ユニ

違和感ありまくりなのは、試合開始直後まででした（笑）むしろ、かっこいいじゃないか。

佐藤寿人の進化

今シーズンのサンフを見てて、一番プレースタイルが進化したな～って思うのが寿人。

まず、なかなか倒れんくなった。以前から、スペースを与えたら危険な選手として、周りから認識されているもんだから、寿人が走ってボールを受けようと動き出した瞬間から、相手ＤＦの強烈なプレスを後ろかまされて、その都度、「痛ぇ！」って倒されてました。その時、相手のファウルになれば、それはそれでいいんだけれど、ファウルにならなくてカウンターをもろにくらってしまうことが以前のサンフでは度々あった。それが、今年も相手ＤＦからプレスは受けるんだけれども、持ちこたえるようになってる。

それとは別の話かもしれないけれど、今年は寿人のポストプレーの回数が前より何倍にも多くなってる気がする。というか明らかに多い。すごくチュンソンに気を使っているんだろうな～っていう感じが、コメントからもプレーからも感じとれます。そのおかげもあってか、チュンソンは見たところ、自分のプレーを思いっきり出せてる。開幕前は寿人とチュンソンの共存が話題になってたけれど、純分共存できていて、寿人の気遣いが、サンフの迫力ある攻撃の源になっているような気がします。

粘り強さは勝ち点3ゲットの必須条件

試合終わった後に、自分がまず思ったことは、磐田は粘り強いな～ってこと。昨年のナビスコファイナルで土壇場でやられた粘り強さを、今回も見せ付け られた気がします。サッカー自体は、サンフの方がうまいし、多彩だし、いいサッカーをしてたのは間違いないと思う。粘り強さっていう面では負けてたかな？ それはたぶん選手も感じてると思うし、それがきっと次の鬼門で大きな力になると思う。というのは鬼門をぶち破ってから言えること。

ということで、次はアウェーでの清水戦。チーム状態がいいだけに、今回の試合は悔しい感じもするけれど、それはそれで切り替えて次へ。